認知症を予防する5つの習慣

認知症を予防する5つの習慣

生活習慣病と認知症の密接な関係について

不規則な生活や乱れた食生活を続けることにより、高血圧や動脈硬化、心筋梗塞などの恐ろしい病を引き起こしやすくなります。更にこうした疾患は、脳血管障害をも起こしやすいことが近年の研究によって明らかとなっています。認知症にはアルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型、前頭側頭型などのように、発症原因によっていくつかの種類に分類されていますが、このうち脳血管性の発症に、これらの疾患が関係しているのではないかと考えられています。高血圧や動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中などは循環器系の疾患であることからも、こうした疾患が脳血管障害を起こす可能性が高いということも容易に考えられます。

福岡県のある町では、1985年から数回にわたって脳血管性認知症のリスク度を調査しており、その調査によると、高血圧と診断された人は血圧が正常の人よりも、脳血管性を発症するリスクが約3.4倍にも序章することが分かりました。また、50歳以上64歳以下の年代では、3.4倍よりもさらに高い数値になることも判明しました。この2つの調査データから、若いころから高血圧と診断された人ほど、脳血管性を発症しやすくなると言えます。認知症の中で最も発症率が高いとされるのがアルツハイマー型です。アルツハイマー型は、脳にアミロイドベータと呼ばれるタンパク質が溜まることで、正常な神経細胞が破壊されそれが拡大することで、脳の委縮が起こることで発症すると言われています。

アルツハイマー型においては、従来その発症原因は加齢や遺伝によるものだと考えられていましたが、最近の研究によると、それらの原因以外にも糖尿病や高血圧などの持病を抱えている方は、健康な方よりも発症率が高いことが分かり、科学的にも証明されています。糖尿病患者の場合、2型糖尿病の方は脳の血管に障害を起こしやすいとされ、脳血管性とも深い関わりを持っているとされていますが、特にアルツハイー型の発症率は4.6倍にも上昇すると言われています。九州大学による研究では、2型糖尿病に深く関わっている高インスリン血症の状態が、アルツハイマー型の原因であるアミロイドベータ蛋白を分解することができなくなることが大きな要因であると証明しています。

更に、その他の原因と考えられているタウ蛋白の変質促進にも働くことが分かってきました。これらの結果からアルツハイマー型の発症率が、正常な血糖値の人よりも4.6倍も高くなるのです。不規則な生活や乱れた食生活によって引き起こされる確率が高い2型糖尿病は、脳への障害のほか多くの合併症を引き起こすため、規則正しい生活を行うことが重要です。

脳の委縮を予防するためには、まずは日常生活を見直して改善することが大切です。また、発症してからではなく発症する前から規則正しい生活を送り、その生活を継続して積み重ねていくことがとても大切なのです。規則正しい生活の積み重ねによって、発症率を低下させることは十分に可能です。そのためにも、まずは認知症になりにくい生活を身に付けていきましょう。

 

認知症を予防する5つの生活習慣

この脳の委縮による認知機能の低下は、発症するずっと前の健康体の生活が大きく関係していると言われており、特にアルツハイマー型の原因であるアミロイドベータ蛋白は、発症の25年も前から脳内に蓄積するというデータもあります。例えば、60歳で発症した場合では、35歳から既に溜まり始めているということになります。アミロイドベータ蛋白はインスリンとも深い関係にあることが分かっているため、糖尿病にならない生活を心がけることが大切です。

日常生活の改善でポイントとなるのは、「こまめに動く」ということです。毎日30分程度の運動を取り入れる時間をどこかに作れれば一番良いですが、それを継続することが一番重要です。運動が行えなかった日は、職場や家の中でもなるべく動くように意識しましょう。例えば、夕食後にすぐに横になるのではなく、先に片付けを行うようにするだけでも違ってきます。喫煙や飲酒も控えるようにします。タバコは血管を細くするため動脈硬化になりやすいです。また、アルコールを大量に摂取ることは血圧を高める原因にもなります。認知症になりにくい生活としては、大きく5つの項目に分けて考えていくと効果的です。

それは、1.食生活、2.運動、3.対人関係、4.知的行動、5.睡眠、という5つの行動です。脳を健康で良好な状態を維持するために、この5つの対策を意識していきましょう。では、この5つの対策について、一つ一つ具体的に見ていきましょう。1食生活では、@ビタミンC(血流悪化の防止)・ビタミンE(活性酸素の増加を抑制)・βカロテン(コレステロールの酸化防止)などが豊富に含まれる野菜や果物を多く摂取する、ADHA(動脈硬化・高脂血症・高血圧・老人性痴ほう症などの防止など)・EPA(中性脂肪や悪玉コレステロールを減らすなど)を多く含む魚を積極的に摂取する、Bポリフェノール(強力な抗酸化作用)を多く含む赤ワインを適量飲む、などがあります。

2.運動では、1週間に3日以上の有酸素運動を行うようにします。出来れば毎日行うことがよいですが、無理ならば1週間のうち3日以上は行うように心がけましょう。また、運動は継続することが一番大切ですから、決して無理はせず手軽に始められるような有酸素運動から始めていきましょう。3.対人関係では、他人との会話や交流を積極的に取ることが有効です。人間の脳は、他人と話をすることで活性化されます。活性化するということは、血液の流れが良くなるということであり、会話や交流を盛んにすることは脳にはとても良いことです。

4.知的行動では、脳を良く使うことを意識します。例えば、作文を書く・本を読む、囲碁や将棋、麻雀など頭を使って先を読むゲームなどを行う、博物館に行って色々なものを見るなどが効果的です。5.睡眠では、朝目覚めてから2時間以内に太陽の光を浴びることで脳が活性化します。また、お昼寝も脳には有効とされており、30分未満の短めの睡眠が効果的です。これら5つの行動を、日常生活の中で意識しながら行っていくことで、認知症を予防することが可能となります。